個室がなくてもできる3つの工夫
家族は大切。でも、ときには一人で過ごしたい。誰にも話しかけられず、自分のペースでゆっくりしたい。
そんなふうに感じることはありませんか。
私は3人の子どもの母です。子どもたちが小さかった頃は、夫の帰宅が遅く、休日も仕事が多かったため、ほぼ一人で育児を担っていました。
トイレにも落ち着いて入れず、子どもが昼寝をしている間は掃除や家事。家族のために過ごす時間ばかりで、自分のための時間を持つことが難しい日々でした。
今振り返ると、家族を大切にすることと同じくらい、自分がほっとできる時間や場所も大切にしてよかったと思います。
家族を大切にすることと、自分の居場所を大切にすることは、矛盾しません。
そして、居場所は必ずしも個室である必要はないのです。
わが家の5人、それぞれの居場所
リビングテーブルが、末っ子のテリトリーに
わが家の長男と次男には、それぞれ子ども部屋があります。でも、末っ子にはまだ個室がありませんでした。
そんな末っ子が自分の場所に選んだのは、リビングテーブル。
おもちゃや小物をたくさん並べ、ほかの人が荷物を置いたり、ものを動かしたりすることを嫌がっていました。
家族から見れば、片づけてほしい場所です。
でも、あるとき「ここがあなたの居場所なんだね」と伝えると、末っ子はうんうんとうなずきました。
不思議なことに、その後はおもちゃを決められた場所へ片づけるようになり、家族から注意されることも少なくなったのです。
自分の場所だと認めてもらいたかったのかな。
本当の理由は本人にしかわかりませんが、私にとっては、片づけの問題だと思っていたことを、別の視点から考えるきっかけになりました。
個室があっても、過ごし方は違う
長男は、自分の部屋で過ごすことが多いタイプ。
一方、次男は勉強と寝るとき以外、和室やリビングにいることが多く、特にゲームができる和室がお気に入りです。
わが家はリビングと和室の床に段差がなく、空間がつながっています。
和室でゲームをしていても、リビングにいる家族の存在を感じられる。
一人で過ごすことを好む長男と、家族の気配がある場所で過ごす次男。
同じ家で育ったきょうだいでも、心地よい過ごし方は違うのだと感じます。
「俺の居場所もない」という夫の一言
そんなある日、リビングでくつろぐ私と子どもたちの横で、ダイニングチェアに座っていた夫が言いました。
「俺の居場所もない」
仕事から帰ってくる頃には、ソファはすでに家族が使っています。夫は夕食後、ダイニングチェアに座ってテレビを見ていました。
「ほんとだね〜」
そう答えて、「ヨギボーでも買おうか」と笑い話になりました。
まだ実現していませんが、いつか夫がゆっくりくつろげるパーソナルチェアを置きたいと思っています。
同じ空間に家族がいても、自分の落ち着ける場所があるとは限らない。
家族それぞれに居場所が必要なのだと、改めて気づかされた出来事でした。


※画像は実際の家族や住まいではなく、記事の内容をもとに作成したイメージです。
居場所をつくるための3つの視点
家族の居場所を考えるとき、私は「場所・時間・関係」の3つの視点が大切だと思います。
1.場所を整える
個室を増やさなくても、家具の配置や座る位置を変えることで、落ち着ける場所が見つかることがあります。
例えば、椅子を窓の方へ向ける。リビングの一角に読書用の椅子を置く。棚の一段を自分専用にする。
好きなアートや本を飾る場所をつくるのもいいですね。
まずは家具を買い足す前に、家の中で「ここにいると落ち着く」と感じる場所を探してみましょう。
2.時間を整える
自分の居場所があっても、何度も話しかけられたり、用事を頼まれたりすると、ゆっくり過ごせないことがあります。
そんなときは、家族と時間の使い方を相談してみましょう。
「帰宅してから15分だけ休みたい。そのあとで今日の話を聞かせてね」
「勉強している間は、急ぎでなければ終わってから声をかけてほしい」
小さな子どもがいる家庭では、保護者が一人で休めるように、見守りを交代することも大切です。
私自身、仕事のときは保育園や両親、ファミリー・サポートの方に助けてもらっていました。
でも、仕事以外の時間は「頼ってはいけない」と思っていたのです。
今は、休むためにも、好きなことをするためにも、もっと頼ってよかったと思います。
3.関係を整える
家族で暮らしていると、つい自分の感覚で相手の行動を判断してしまうことがあります。
「どうして片づけないの?」
「どうして自分の部屋に行かないの?」
そんなとき、一度立ち止まって聞いてみる。
「ここで、どんなふうに過ごしたい?」
「何があると、もっと落ち着ける?」
家族だからといって、望んでいることが同じとは限りません。
自分の場所を大切にするのと同じように、ほかの家族の場所や過ごし方も尊重する。
居場所づくりは、家具の配置だけでなく、お互いの気持ちを知ることからも始まります。
まずは、家族の居場所を一つ見つけてみる
家族全員の居場所を、一度に整える必要はありません。
「私は、家のどこにいるとほっとするだろう?」
「あなたは、どこで、どんなふうに過ごすのが好き?」
思いがけない答えが返ってくるかもしれません。
一人で静かに過ごしたい人もいれば、家族の気配を感じていたい人もいる。
その違いを知ることが、家族みんなの居心地を整える第一歩になるのではないでしょうか。
自分にも、大切な人にも、安心できる居場所を。
そんな小さな工夫を、今日から始めてみませんか。
自分に合う居場所を、一緒に考えてみませんか
「個室がない」「家具の配置をどう変えたらよいかわからない」「家族それぞれの過ごし方に合う空間にしたい」。
そんなときは、marieの住まい相談へ。
今の暮らしと大切にしたい過ごし方を伺いながら、そのご家庭に合う居場所づくりを一緒に考えます。

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