アートを飾ると、暮らしはどう変わる?

一枚の絵が、私に思い出させてくれたこと

アートを飾ると、部屋はどのように変わるのでしょうか。

空間が華やかになる。おしゃれになる。自分らしい部屋になる。

もちろん、それもアートの魅力です。

けれど私自身は、一枚の絵を迎えたことで、部屋の景色だけでなく、日々の気持ちにも変化を感じました。

今日は、私がアートを暮らしに迎えた経験から、その魅力をお伝えしたいと思います。

部屋を変えたかった、その奥にあった気持ち

三人の子どもを育てながら、仕事と家事に追われていた頃。

私は、自分に対してとても厳しいところがありました。

「もっと頑張らなくては」
「ちゃんとしなくては」

そんな思いを抱えていると、知らず知らずのうちに、人に対しても厳しい目を向けてしまうことがありました。

本当は、もっと穏やかに、優しい気持ちで暮らしたい。

部屋を美しく整えたいという願いの奥には、自分自身の気持ちや暮らしを変えたいという思いがあったのだと思います。

私が出会った、一枚の抽象画

そんなときに出会ったのが、アーティスト・小川万莉子さんの抽象画「view/wave044」でした。

初めて作品を見たとき、光がきらきらと輝くような美しさに心を惹かれました。

作家さんにお話を伺うと、朝日を浴びた海を表現した作品だと知りました。小川さんは、海の近くで制作活動をされています。

抽象画だからこそ、見る人によって感じる景色は違うかもしれません。

そして、この作品のもう一つの魅力は、表面の凹凸が光を受けて、さまざまな表情を見せてくれること。

朝の自然光では、朝日を浴びて輝く海のように。

日中は、光と陰影が織りなす美しいアートとして。

夜には、電球色の照明を受けて、夕焼けの海のようにも見えるのです。

一枚の作品なのに、時間とともに景色が変わる。

そんな豊かさを、日々の暮らしの中で楽しんでいます。

そして、作品だけでなく、作家ご本人との出会いも大切な思い出です。

実際にお会いした小川さんは、優しさと芯の強さを感じる、とても魅力的な方でした。

この方の作品を暮らしに迎えたい。そして、活動を応援したい。

そんな気持ちも、購入を決めた大きな理由でした。

アートを選ぶことは、作品の色や形を選ぶだけではないのかもしれません。

作家の思いや人柄、出会いの記憶まで、暮らしの中に迎え入れることができるのです。

アートを飾ることで変わった、部屋の景色

以前、その場所には背の高いチェストを置き、子どもの作品や小物を飾っていました。

それも家族の思い出が詰まった、大切な空間でした。

けれど、新しいアートを迎えるにあたり、家具や小物の配置も見直すことにしました。

チェストをすっきりとしたコンソールに替え、作品を中心に、花器や小物とのバランスを整えました。

すると、部屋の一角に余白が生まれ、アートが自然と目に入るようになりました。

一枚の作品を大切に飾ろうとすると、周囲の家具や小物の選び方まで変わってくる。

何を置きたいのか。何を残したいのか。

そんなことを考える時間も、アートを取り入れる楽しみの一つです。

以前、Instagramでもこの模様替えについてご紹介しました。

[InstagramでBefore・Afterを見る →]

いちばん大きく変わったのは、自分の気持ち

私にとって、いちばん大きな変化は、部屋の見た目だけではありません。

今でも、自分が大切にされていないと感じると、相手を厳しい目で見てしまうことがあります。

そんな自分に気づいて、反省することもあります。

けれど、ふと朝日の海の絵を見ると、美しい景色に心が向き、自然体の自分に戻れるように感じるのです。

「もっと自分に優しくありたい」
「人にも優しくありたい」
そんな、私が大切にしている気持ちを思い出します。
もちろん、アートがすべての悩みを解決してくれるわけではありません。
それでも、好きなもの、美しいと感じるものが日常の中にあることは、自分の気持ちを見つめ直すきっかけになるのだと思います。
アートは、部屋を飾るだけでなく、自分が大切にしたい生き方を思い出させてくれる存在にもなる。

私にとって、この一枚はそんな作品です。

アートを飾る場所にも、自分らしさを

アートは、何を飾るかだけでなく、どこに飾るかによっても、日常での感じ方が変わります。

私は空間デザイン心理学®で学んだ「左側の法則」という考え方も、空間づくりの参考にしています。

人間の視覚情報は、左右の視野によって脳内での処理経路が異なり、右大脳半球は空間や全体的な形の把握などに比較的強く関わることが研究で報告されています。

こうした視覚の特性を背景に、空間デザイン心理学®では、左側にアクセントを設けるという考え方があります。

ただし、誰もが左側に飾ると心地よく感じるというわけではありません。

私自身は、パーソナル居心地診断®で「左視野優位」という結果でした。

その結果も参考にしながら、普段よく過ごすダイニングやキッチンから見て左側に、お気に入りのアートや大切なものを集めています。

日常の中で、ふと視線を向けた先に好きな景色がある。

それが私にとって、心地よい空間づくりの一つになっています。

あなたなら、どんな気持ちになれるアートを選びますか?

アートを選ぶとき、インテリアとの相性や、作品の大きさ、飾る場所を考えることも大切です。

けれど、その前に、こんな問いを自分に投げかけてみてはいかがでしょうか。

「私は、この部屋でどんな気持ちで過ごしたいのだろう?」
穏やかな気持ち。
明るく前向きな気持ち。
安心できる気持ち。
あるいは、自由で楽しい気持ちかもしれません。
答えは、人それぞれ違っていていいのです。
そして、必ずしも高価な作品を選ぶ必要はありません。
旅先で出会った絵、好きな作家の小さな作品、心に残る風景を描いた一枚。
自分の心が動くものを見つけたら、まずは日常の中で目に入りやすい場所に飾ってみてください。

そこから、暮らしの景色が少しずつ変わっていくかもしれません。

自分にとって心地よい空間を知りたい方へ

同じ部屋でも、落ち着く場所や好きな眺めは人それぞれです。

パーソナル居心地診断®では、左右の視野の優位性などを、自分の心地よさを考える手がかりの一つとして活用します。

ご自身の特性を知り、自分らしい空間づくりに生かしてみたい方は、ぜひご覧ください。

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参考文献

  • Hellige, J. B. (1996). Hemispheric asymmetry for visual information processing. Acta Neurobiologiae Experimentalis, 56(1), 485–497.
  • 高原美由紀(2023)『空間デザイン心理士®テキスト』一般社団法人 空間デザイン心理学協会。
  • 小塩真司・阿部晋吾・カトローニ ピノ(2012)「日本語版 Ten Item Personality Inventory(TIPI-J)作成の試み」『パーソナリティ研究』21(1), 40–52.

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