はじめに
こんにちは。インテリアコーディネーターのmarieです。
素敵なインテリアを見て、
「こんな部屋にしたいな」
と思ったことはありませんか?
私も美しいインテリアが大好きです。
でも、たくさんの住まいづくりに関わる中で感じてきたことがあります。
美しい部屋と、その人が心地よく暮らせる部屋は、必ずしも同じではない。
雑誌では素敵に見えたソファなのに、自分の家ではなぜか落ち着かない。
きれいに片づいているのに、家に帰ってもほっとしない。
反対に、決して完璧ではないのに、なぜかずっとここにいたいと思える場所もあります。
その違いは何でしょう。
私はそのヒントのひとつが、「その空間でどんな気持ちになりたいのか」にあると思っています。
今日は、インテリアを「何を置くか」から少し離れて、
「私は、ここでどう感じたい?」
から考えてみたいと思います。
あなたが「帰りたくなる家」は、どんな家ですか?
少しだけ想像してみてください。
一日の仕事や用事を終えて、自宅のドアを開けます。
そのとき、どんな気持ちになれたら嬉しいでしょう。
「ほっとする」
「安心する」
「家に帰ってきた!とうれしくなる」
「一人になって力を抜ける」
「家族の顔を見て幸せだと思う」
人によって、きっと違います。
だから、心地よいインテリアにも、全員に共通する正解があるわけではありません。
まず大切なのは、
「私はこの場所で、どんな気持ちで過ごしたいんだろう?」
と自分に聞いてみることです。
すぐに答えが出なくても大丈夫。
普段の暮らしの中に、ヒントがあります。
「好き」には、あなたの心地よさのヒントがあります
たとえば、旅行先のホテルでとても心地よかったことはありませんか?
お気に入りのカフェ。
実家の縁側。
昔住んでいた家。
大好きだった祖母の部屋。
窓から木が見える場所。
ふかふかの布団。
好きな香り。
お気に入りの絵。
「なぜか好きだった場所」を思い出してみると、自分が空間に求めているものが見えてくることがあります。
「窓から木が見えると安心する」
「少し暗いくらいの光の方が落ち着く」
「一人になれる小さな場所が必要」
それは、あなた自身の心地よさを知る大切な手がかりです。
インテリアを考えるとき、流行や正解を探す前に、
自分の「好き」を思い出してみてください。
心地よさが分かったら、環境に置き換えてみる
たとえば、
「夜は安心して、のんびり過ごしたい」
と思ったとします。
では、どうしたらその気持ちを感じやすいでしょう。
眩しい照明を少し抑える。
好きな肌触りのブランケットを置く。
好きな香りを取り入れる。
目に入る場所に好きなアートや花を飾る。
ソファの周りに散らかりやすいものの置き場所をつくる。
大掛かりなリフォームをしなくても、できることはたくさんあります。
大切なのは、
「おしゃれだから取り入れる」のではなく、「自分が感じたい気持ちのために選ぶ」こと。
同じ照明でも、同じ花でも、取り入れる理由は人によって違っていいのです。
片づかないのは、あなたの性格だけが原因ではないかもしれません
「どうして私は片づけられないんだろう」
「またソファに服を置いてしまった」
「家族はどうして元の場所に戻してくれないんだろう」
そんなふうに、自分や家族を責めてしまうこともありますよね。
でも、一度だけ、
「人ではなく、環境の方を変えられないかな?」
と考えてみてください。
わが家の小さな例
わが家でも、以前は末っ子のランドセルが玄関の床に置かれていて、うっかりつまずくことがありました。
「ランドセルを片づけてね」と言っても、また床に置いてある。
そこで、子どもを変えようとするのではなく、玄関を開けてすぐの場所にランドセルの置き場をつくってみました。
すると、それからは自然とそこに置くようになり、床に転がったランドセルにつまずくこともなくなりました。
子どもが急に「片づけ上手」になったわけではありません。
行動しやすいように、環境を少し変えただけです。
これは大人も同じです。
もし、いつもソファにバッグを置いてしまうなら、そこが今のあなたにとって一番置きやすい場所なのかもしれません。
それなら、
「バッグは収納の中にしまうもの」
と頑張る前に、ソファの近くにバッグの定位置をつくってみる。
自分や家族を責めるより、
今の自分たちが自然にできる環境を考えてみる。
住まいを整えることは、自分や家族を否定するのではなく、その人に合った暮らし方を見つけることでもあると、私は思っています。
インテリアに「正解」ではなく、あなたの価値を
以前、整理整頓された空間が好きだという方のお話をじっくり伺ったことがあります。
最初は「きれいだから心地よい」というお話でした。
でも、丁寧に気持ちをたどっていくと、その奥にあったのは、
「愛」「安心」「自信」を感じながら暮らしたい
という思いでした。
同じ「片づいた家が好き」でも、その理由は人によって違います。
だから私は、
「こういうインテリアがおすすめです」
と答えを出す前に、
「あなたにとって、それが大切なのはなぜだろう?」
を一緒に考えたいと思っています。
自分でも気づいていなかった大切なものが分かると、家具や色、照明を選ぶ基準も少しずつ変わってきます。
今日、ひとつだけやってみませんか?
部屋を全部変えなくて大丈夫です。
まず、家の中で一番好きな場所をひとつ探してみてください。
そして、
「私は、ここでどんな気持ちになっている?」
と考えてみてください。
安心する。
楽しい。
自分らしい。
元気になる。
懐かしい。
なんだか分からないけれど好き。
それでも十分です。
次に、
「この心地よさを、家のほかの場所にも少し増やせないかな?」
と考えてみる。
お気に入りの花を一輪飾るだけかもしれません。
照明をひとつ消すことかもしれません。
好きな絵を飾ることかもしれません。
ずっと邪魔だったものをひとつ移動することかもしれません。
小さな一歩でいいのです。
暮らしを整えることは、自分を大切にすること
インテリアは、誰かに見せるためだけのものではありません。
毎日そこで暮らす、自分や家族のためのものです。
だから、
「雑誌みたいにしなくちゃ」
「きれいに片づけなくちゃ」
と頑張る前に、
「私は、どんなふうに暮らしたい?」
と自分に聞いてみてください。
自分の好きなもの。
大切にしたい時間。
感じたい気持ち。
それが分かってくると、インテリアは「正解を探すもの」から、自分の暮らしをつくるものへ変わっていきます。
今のあなたを否定して、新しい自分になる必要はありません。
今の自分をよく見て、少し暮らしやすくなるように環境を整えていく。
その小さな変化の先に、
「家に帰るのが楽しみ」
「この家が好き」
と思える日が少しずつ増えていったら、とても素敵だと思います。

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